上代語「はも」(8)

「笹の葉に降りつむ雪のうれを重みもとくだちゆく我がさかりはも」

http://www.milord-club.com/Kokin/uta0891.htm
>891 笹の葉に  降りつむ雪の  うれを重み  もとくだちゆく  我がさかりはも
>うれ ・・・ 葉の先の方
>もと ・・・ 本体
>くだちゆく ・・・ 傾いてゆく (降ちゆく) 

>笹の葉に降り積もる雪が先の方が重いので、本体が傾くように、
>徐々に年月の重さで下降気味になる自分の盛りの時期であることか、という歌。

>ただいるだけでも重力で気力/体力が落ちてゆくような気分を詠ったものであろう。
>この歌と同じ 「笹の葉」と 「~を~み」という表現を使った歌に次の躬恒の歌がある。
>「~を~み」という表現のある歌の一覧は 497番の歌のページを参照。

https://sakuramitih31.blog.fc2.com/blog-entry-5417.html
>意味・・葉に降り積もった雪のために、笹は先端が重く
>    なり、根元の方が傾いてゆく。このように、私
>    の盛りも下り坂になったとは悔しいことだ。

>    雪が解ければ、笹の葉はまた元通りになるよう
>    に、私もいつかきっと勢力を盛り返したいもの
>    だ。
> 注・・うれ=末。木の枝や草葉の先端。
>    くたち=降ち。盛りを過ぎること。衰える、傾
>     く。
>    はも=上接する語を強く引き立てる語。
>出典・・古今和歌集・891。

これも、文末の「はも」を「あり、共にあり」に置き換える。

「本くだち行くわがさかりはも」
=本くだち行くわがさかり+はも
=本くだち行くわがさかり+あり、共にあり
=本くだち行くわがさかりあり、共にあり

全体としては

「笹の葉に降りつむ雪のうれを重みもとくだちゆく我がさかりはも」
=笹の葉に降りつむ雪のうれを重みもとくだちゆく我がさかり+あり、共にあり

笹の葉に降り積もる雪が、(葉)先の方が重いので、根本が傾く、
私の盛りも(その笹と)共にあり、(そのように)あります。

いろいろ例に和歌を並べたが、上代「はも」は…
「はも」
=はも
=は+も
=あり+共に+(動詞/名詞)

「は=あり」、「と、も=共に、一緒に=出自は接頭辞」だと思う。
公理(1)と公理(3)から上代「はも」の新しい解釈ができた。

こういうことを言っているのは、私だけでしょうから、
これに名前を付けたいと思う。これを「はも」の定理と呼びます。

公理(1)+公理(3) → 「はも」の定理

「はも」は食い物でもあり、親しみやすい定理名称になりましたw