象は鼻が長いー2

「象は鼻が長い」と似た意味で
「象には長い鼻が付いています」がある。
この文はとても面白い仕組みになっている。

「象には」
=象に+は
=象に+あり … 「は」を「あり」に置き換え

格助詞「に=動作作用の目的対象を表す」ものが
「は=あり」と言っている。
「に」の出自とは何か?

「象には」は「目的となる象、対象となる象があります」という意味です。
「象には長い鼻が付いています」は二つの文だけど、一つの文とするならば、
対象格・目的格を主語にした日本語的受動態と言える。
これから話す事は、目的格対象格の象の事ですという意味だ。

他にも「象には、象へは、象では、象とは、象をば」など
目的格対象格が「あり」という言い方がある。

「長い鼻が付いています」
=長い鼻+が+付いています
=長い鼻+持つ+付いています

「長い鼻が付いています=長い鼻+持つ+付いています」で
「長い鼻はついていますという状態を持っている」と言っている。

それでは、長い鼻はどこに付いているかと言えば
「象には=象に+あり」ですから「象に」付いています。

「付いている」状態、「付いている」状況は
「持つ」という動詞の対象になると考える。

・長い=長い状態 ← なが+い
・美味い=美味い状態 ← うま+い
・付いている=付いている状態=名詞句
・ありました=あったという状態=名詞句

こう考えると考えやすい。